不動強靭柵

増大し、激甚化する土砂災害

土砂災害を引き起こす要因の一つに雨、特に豪雨があります。
時間雨量が50㎜を上回る豪雨は全国的に増加しており、昭和58年~平成元年は平均で174回/年でしたが、平成15年~平成24年は平均で236回/年発生しており約130%を超える回数増となっています。
また豪雨だけではなく地震も大きな要因であり、世界中で発生する中~大規模地震(マグニチュード6以上)の約20%は日本で発生しています。

そのため近年、日本全国の土砂災害発生件数は、年間約1,000件発生し、またその発生件数は年々増加の一途を辿っています。
昭和58年~平成元年は平均で736件/年でしたが、平成15年~平成24年は平均で約1,180件/年発生しており、約160%を超える件数増となっています。

増大し、激甚化する土砂災害

土砂災害とは何か

土砂災害とは主にがけ崩れ、土石流、地すべりの3現象により発生する災害を総称する呼び名であり、その土砂災害危険箇所数は日本全国で約52万箇所(がけ崩れ33万箇所、土石流18万渓流、地すべり1万箇所)あるといわれています。

土砂災害とは何か

不動強靭柵が採用される顕著な事例!

工法選定フロー

工法選定(待受け式擁壁工が既設の場合)

土砂災害防止法の施行により、急傾斜地の崩壊による建築物又はその地上部に作用すると想定される力の大きさが定められたことを受け、急傾斜地崩落防止施設における衝撃力と崩壊土砂量を考慮した設計手法が示されました。以下の①~③に対して不十分と判断された場合、別途対策の検討が必要となります。

工法選定(待受け式擁壁工が既設の場合) 従来対策の課題・望まれる対策工

不動強靭柵の概要、構造とは?

不動強靭柵の概要、構造とは?

安心と安全を提供するための特徴

斜面中腹に設置される土砂防護柵において、ワイヤロープ・金網を用いた構造物は、施工性に優れる一方で土砂がネット部分に堆積すると斜面下方へ大きく膨らむ形になり、見た目の不安を感じる事があります。
不動強靭柵は優れた性能・施工性・景観性を追求しつつ、土砂堆積時に極力変形を抑える構造にすることで、機能的な安全はもとより安心感を与えるように開発されました。

不動強靭柵の構造

不動強靭柵の構造
  • ①硬厚金網

    ①硬厚金網

    一般的なひし形金網より、高強度(ひし形金網の4倍以上の張力値)の素線を編み込んだ硬厚金網を使用しています。

  • ②ワイヤロープ

    ②ワイヤロープ

    支柱間及び支柱とアンカーを接続するワイヤロープを複数配置しています。
    荷重が大きく掛かる柵下部分は横ロープ間隔を狭く配置することで剛性確保と変形量(はらみ出し)を抑制します。

  • ③支柱の軽量化

    ③支柱の軽量化

    ワイヤロープの複数配置によって支柱に掛かる荷重が分散し、従来工法に比べ半分以下の重量になっています。

  • ④アンカー

    ④アンカー

    地盤条件を考慮し、適切なアンカーを選定する。反力体として有効なグランドアンカーを使用します。

不動強靭柵の耐久性は?

部材規格と耐用年数

  • 使用される部材の防蝕仕様は全て溶融亜鉛めっきを標準としています。
    ※UBロープアンカー・ロックアンカー・ハンガー索はアルミ亜鉛合金めっきを標準としています
  • 耐用年数の判定は素線径の細い金網を基準に判定しており、郊外地区(田園地帯)において約50~70年程度となります。

計算式:耐用年数=亜鉛付着量(g/m2)÷腐食速度(g/m2/年)×0.9

  • 海岸地帯等の腐食速度の大きい地域においてはアルミ亜鉛合金めっきを選択することで、上記と同程度の耐用年数を確保することが可能です。
  • 景観保全を考慮しなければならない箇所において着色仕様を選択することも可能です。

溶融亜鉛めっき使用環境別耐用年数

溶融亜鉛めっき使用環境別耐用年数

亜鉛アルミニウム合金めっきの耐食性

亜鉛アルミニウム合金めっきの耐食性や協会規格については 以下を参照してください。

施工性および維持管理性

・一般的な落石予防策(斜面中腹型)と比べると部材が軽量な為、重機は必要なく、ホイールクレーンや簡易ケーブルクレーン又はモノレールによる資材運搬と、削孔機(削孔径90〜135mm程度)が主たる施工手段となります。

・フェンス背面に多くの落石や土砂が堆積すると柵高が不足し、新たな崩壊土砂が柵を越流する恐れがあります。
したがって融雪時や地震等(災害発生時)に伴って点検することが望まれます。破損した箇所については、その部材のみを補修又は交換することが可能です。

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